ストレッチとは、「伸ばす」という意味です。体の柔軟性を高め、身体をリラックスさせたり、体調を整えたりする目的で行われます。
【ストレッチの効果】
①筋の柔軟性(関節の可動域)が高まる。
②傷害の予防につながる。
【ストレッチの種類】
①静的ストレッチ(スタティックストレッチ) 反動や動きを伴わず、持続的に関節や筋を伸ばすやり方。
②動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ) 動きの中で筋を徐々に伸ばすやり方。
ラジオ体操第一など。
【静的ストレッチを行う際の注意】
①「今はここを伸ばしている。」と、ストレッチしている筋肉部位を意識して行う。
②呼吸を止めずに行う。止めると身体が緊張状態にになり、筋をゆるめることができない。
③無理のない範囲で行う。「オーバーストレッチ」は筋を痛める原因になる。
④時間は10秒~30秒行うようにする。
NO.1 下半身
【太もも裏側とおしり】 ハムストリングス(大腿二頭筋)・大臀筋
① 立位体前屈 足を少し開き、上半身をたおして太ももの裏(ハムストリングス)とおしりの筋肉(大臀筋)を伸ばす。
② 長座体前屈 長座になり、足先やかかとにふれるように上体を倒す。
③ 仰向けの姿勢から片側のひざをかかえ、ひざをゆっくり胸に引き寄せる。
NO.2 上半身
【肩】 三角筋
① 三角筋の後ろ側を伸ばす。ひじを伸ばしたまま、もう片方の腕で引いていく。手をかける位置は、前腕(ひじから手首の間)にするとテコの原理で強く働き、楽に伸ばせる。
② 更に効果を上げるため、伸ばした手を開き手のひらを上に向ける。もう一方の手で伸ばした腕の、ひじの上あたりを胸に引き寄せる。
③ 伸ばした腕を上に向けることで、三角筋の下部を伸ばす。
④ 伸ばした腕を下に向けることで、三角筋の上部に効かせることができる。
【上腕】 上腕三頭筋(上腕後面)
① 上腕の後面にある筋肉で、ひじを伸ばす働きがある。片腕を頭上に上げて、ひじを深く曲げ、もう一方の手でひじを横に引く。
上腕二頭筋(上腕前面)*腕を曲げ、力こぶをつくったときの筋肉
①指先を手前に向けて両を手のひらを床につける。体重を腕に乗せてキープする。
【前腕】 前腕屈筋群・前腕伸筋群
① 前腕屈筋群は、手のひら側にある筋肉で、手首を内側に曲げたり指を曲げたりする働きがある。ひじを伸ばした状態で、手首と指を反らせる。ひじから指先までの関節をまたぐ長い筋肉が伸ばせる。
② ひじを曲げた状態で手首と指を反らせる。手首と指の関節のみをまたぐ筋肉を集中して伸ばすことができる。
③ 前腕屈筋群は、手の甲側にある筋肉である。手首を反らせたり、曲げた指を伸ばしたりする働きがある。ひじを伸ばしたまま、指先を持って手首と指の両方を持って曲げていく。ひじから指先までをまたぐ長い筋肉が伸びる。指もしっかり曲げることが大切である。また、ひじを曲げて行うと、手首と指の関節をまたぐ筋肉のみが伸びやすくなる。
④両手の甲を床につけ、体重を乗せてキープする。
【首・背中】
僧帽筋(そうぼうきん)・胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
①僧帽筋は背中から頸部まで広がっている筋肉で、腕を高く上げたり、身体を反らせたりする、肩甲骨を伴う色々な動きに使われている 。両手で頭の後ろを押さえ前に倒す。首周辺は僧帽筋以外にも細くて細やかな筋肉が多いので、反動をつけたり強く伸ばしたりしない。肩こり予防にも有効。
②頭に手をかけ、横に倒す。上体はできるだけ傾けない。真横だけでなく、斜め前に倒すことで僧帽筋の異なる部位やほかの筋肉も伸ばすことができる。
③胸鎖乳突筋は首の左右にあり、首を左右に動かす働きがある。手を首の下に置き、頭を後ろに倒していくことで伸ばすことができる。あごを後ろに押してもよい。
④背中の僧帽筋と広背筋のストレッチ。伸ばした腕で円を作り、ひざを軽く曲げて、息を吐きながら背中を丸めるようにする。*背中を丸め、肩甲骨を開く。